切らないということ
2010.09.08 Wednesday 14:53
先日僕の担当するお客様のFさんがデジタルパーマを取ろうかなと来店された。
Fさんはすごい強い撥水性の縮毛でずっと縮毛矯正をかけている。
飽きてきたのでたまにはスタイルチェンジしませんか?ということで
5月にデジパーをかけた。
矯正毛へのデジもいろいろ考えるとむずかしいのだが、それをまたストレートにするっていうのもかなり大変です。
僕自身あまりお客様に期待を持たせるようなことは言わないのでカウンセリングの時点で毛先はけっこうカットしないと厳しいかもと伝えました。
それでもいいよということでスタート。
こうゆうギリギリの施術ってスタッフにまかせるとどうしても気になってしまって不安なのでほとんどを自分で施術した。
リボルバーのスピエラを前処理に使用。
1Bを混ぜればーで増粘してジェル状にしたものと1Aを30gに対して1g入れた。
通常使うスピエラの濃度の3分の1になるような設計。
これをデジパー部分に塗布した後にグリシスH+S=1:1を丁寧に揉みこみながらスピエラの上にかぶせていく。
W還元ってほどのものじゃないけど、H+Sだけでも取れるとは思うのですが
、ちょっとアルカリがっつりのっけるのが怖い部分があったのでそういった感じにしました。
前処理にスピエラが塗布されるとpHが下がるのとスピエラ自体が油っぽい溶剤に溶かされているので結構上からのせる薬が減力するんですね。
なので揉みこむってことも大事です。
5分くらい放置した時点でウェーブが取れていたので水洗。
中間処理をしてノンテンションでブローして160度でアイロンしました。
ここまでは普通に施術していたのですがそのときFさんが。。
「実はこれから闘病生活に入るのでストレートの方が扱いやすいかなって思って」
と。
あまり深くは突っ込まなかったけど、手術を2回してこれから5週間毎日放射線治療に5年間の投薬といったことだった。
ビックリして何と答えればと思いながら施術していた。
「悪いものは切ればいいと言うけど、女性として生まれてきた身体の部分が切られるのはやっぱり心苦しいし、女性じゃなくなったように感じてしまう」
そんな話をお聞きしながらうなずくことしか出来ませんでしたが、
施術は終わりました。
仕上がりはFさんの普段のお手入れがしっかりしていたのとスピエラからの2段階処理が良かったのか毛先までツヤツヤサラサラに。
Fさんはもともとはロングヘアだったものをミディアムにしてしばらくは
ミディアムだったものをパーマをかけるために伸ばしてもらってパーマを
かけたんです。
で、パーマを取らないように最近はあまりカットしてなかったので
ストレートにしたら昔のようなロングヘアに。
「すごい伸びたけど傷んでるから切らないとね」
と肩を落とすFさんに
「いや、ぼくが思ってたより全然状態悪くないから切らなくて大丈夫ですよ」
と言うとみるみる顔が笑顔になっていった。
病気のことは途中で聞いたのですが、病気はわかりませんが髪は僕らが良い施術を心がければ切らなくても大丈夫な場合ってありますよね。
ほんの些細なことしかしてあげられないですし、僕は美容師ですから髪以外のことはしてあげることは出来ません。
手術後でお疲れの様子のFさんに「やっぱり毛先傷んだので切りますね」
ってなんか言いたくなかったんですよね。
もちろん見た目が汚ければ切るしかないですが、今回はほんとパーマかける前と同等くらいになったのでほぼ切らずにすんでよかったなって心底思いました。
お帰りになる際に
「戸石さんがいれば楽しく明るく闘病生活ができます」
って笑顔でお帰りになられました^^
ヘアスタイルという点だけではなく「切りたくないな〜」っていう
気持ちも汲めるようにいろいろな面で自分が向上していかないといけないなと思いました。
自分のために薬を勉強したり休みを使って講習にかよったりしてるわけではないんですよね。
そこにお客様がいるから僕らはより上を目指していけるわけです。
笑顔という報酬をいただくためにまたがんばろうって思いました^^
Fさんはすごい強い撥水性の縮毛でずっと縮毛矯正をかけている。
飽きてきたのでたまにはスタイルチェンジしませんか?ということで
5月にデジパーをかけた。
矯正毛へのデジもいろいろ考えるとむずかしいのだが、それをまたストレートにするっていうのもかなり大変です。
僕自身あまりお客様に期待を持たせるようなことは言わないのでカウンセリングの時点で毛先はけっこうカットしないと厳しいかもと伝えました。
それでもいいよということでスタート。
こうゆうギリギリの施術ってスタッフにまかせるとどうしても気になってしまって不安なのでほとんどを自分で施術した。
リボルバーのスピエラを前処理に使用。
1Bを混ぜればーで増粘してジェル状にしたものと1Aを30gに対して1g入れた。
通常使うスピエラの濃度の3分の1になるような設計。
これをデジパー部分に塗布した後にグリシスH+S=1:1を丁寧に揉みこみながらスピエラの上にかぶせていく。
W還元ってほどのものじゃないけど、H+Sだけでも取れるとは思うのですが
、ちょっとアルカリがっつりのっけるのが怖い部分があったのでそういった感じにしました。
前処理にスピエラが塗布されるとpHが下がるのとスピエラ自体が油っぽい溶剤に溶かされているので結構上からのせる薬が減力するんですね。
なので揉みこむってことも大事です。
5分くらい放置した時点でウェーブが取れていたので水洗。
中間処理をしてノンテンションでブローして160度でアイロンしました。
ここまでは普通に施術していたのですがそのときFさんが。。
「実はこれから闘病生活に入るのでストレートの方が扱いやすいかなって思って」
と。
あまり深くは突っ込まなかったけど、手術を2回してこれから5週間毎日放射線治療に5年間の投薬といったことだった。
ビックリして何と答えればと思いながら施術していた。
「悪いものは切ればいいと言うけど、女性として生まれてきた身体の部分が切られるのはやっぱり心苦しいし、女性じゃなくなったように感じてしまう」
そんな話をお聞きしながらうなずくことしか出来ませんでしたが、
施術は終わりました。
仕上がりはFさんの普段のお手入れがしっかりしていたのとスピエラからの2段階処理が良かったのか毛先までツヤツヤサラサラに。
Fさんはもともとはロングヘアだったものをミディアムにしてしばらくは
ミディアムだったものをパーマをかけるために伸ばしてもらってパーマを
かけたんです。
で、パーマを取らないように最近はあまりカットしてなかったので
ストレートにしたら昔のようなロングヘアに。
「すごい伸びたけど傷んでるから切らないとね」
と肩を落とすFさんに
「いや、ぼくが思ってたより全然状態悪くないから切らなくて大丈夫ですよ」
と言うとみるみる顔が笑顔になっていった。
病気のことは途中で聞いたのですが、病気はわかりませんが髪は僕らが良い施術を心がければ切らなくても大丈夫な場合ってありますよね。
ほんの些細なことしかしてあげられないですし、僕は美容師ですから髪以外のことはしてあげることは出来ません。
手術後でお疲れの様子のFさんに「やっぱり毛先傷んだので切りますね」
ってなんか言いたくなかったんですよね。
もちろん見た目が汚ければ切るしかないですが、今回はほんとパーマかける前と同等くらいになったのでほぼ切らずにすんでよかったなって心底思いました。
お帰りになる際に
「戸石さんがいれば楽しく明るく闘病生活ができます」
って笑顔でお帰りになられました^^
ヘアスタイルという点だけではなく「切りたくないな〜」っていう
気持ちも汲めるようにいろいろな面で自分が向上していかないといけないなと思いました。
自分のために薬を勉強したり休みを使って講習にかよったりしてるわけではないんですよね。
そこにお客様がいるから僕らはより上を目指していけるわけです。
笑顔という報酬をいただくためにまたがんばろうって思いました^^