システィン酸の吸収が抑えられるアドフィルム

2007.08.26 Sunday 17:08
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    髪のダメージっていろいろあるわけなんですけど、ダメージってどんなことが起きているんでしょうか?


    日常の傷みの原因としては、

    ■紫外線によるキューティクルのタンパクの変成・システィン酸の増加

    ■シャンプーによる内部タンパク・脂質の流出

    ■無理なブラッシングによるキューティクルのめくれ

    ■ドライヤー・アイロン・コテによる毛髪ケラチンの変成

    などありますね。ここにサロンでの化学的ストレスがくわわるわけです。

    ■カラー・ブリーチなどによる過剰な酸化によるシスティン酸の増加

    ■パーマや矯正などでおこりやすいランチオニンや混合ジスルフィドの生成

    ■膨潤・軟化している毛髪へのコーミングなどのダメージ

    ■矯正・デジタルパーマなどによるタンパク変成


    などあるわけです。

    そんなことは講習などでたいてい習ってきているわけなんですけど、
    実際よくわからないですよね。

    特にランチオニン・混合ジスルフィド・システィン酸というもの。


    僕もイマイチ理解していないのですけれど、ちょっとまとめてみました。

    ■ランチオニン

    強いアルカリと熱(無くても起きる)によって生成される不溶性で不可逆性な物質。

    強いアルカリとは濃度であったりpHが高いってことです。

    これはシスチン結合している状態がアルカリによって切られてしまい、
    システィンがデヒドロアラニンという物質に変わってしまい、
    もう一方のシスティンと結合して生成されてしまうのです。

    このデヒドロアラニンとくっついてしまったシスティンは、逆の反応で
    元に戻るといったことは無いので単純にランチオニンが増えればシスチンの量も減るわけですから髪の強度低下につながっていくわけです。



    ■混合ジスルフィド

    これは、還元剤によって切られたシスチン結合でシスティン2分子となっている状態で、本来であるならばパーマであればロッドの形にずれて酸化されてシスチン結合に戻らないといけないものが、還元を終えた還元剤の分子tp結合してしまってできるものです。

    これも結局は髪のシスチンを減らすわけですから増えて良いものではありませんね。


    ■システィン酸

    カラー・ブリーチ、パーマの2剤など、過剰な酸化がおこなわれることで、
    システィンがシスティン酸へと変化してしまう反応です。

    上記二つと同じく元のシスチン結合に戻ることはなく髪に残留します。
    シスチンの量がへるわけですから弾力性はなくなってきます。



    共通して言えることは元のシスティンに戻らないということで、これらが増えることでシスティンは減少しますから毛髪強度が落ちる・パーマがかからなくなるなどの現象がおきてくるわけです。



    全くこれらを0で施術が出来れば傷まないわけですけれど、それは無理な話ですね。ただ、これらの生成物を出来るだけ少なく施術することは出来るわけです。


    ランチオニンについてはやはりアルカリの強い薬を出来るだけ最小限にとどめて作業するとか、強アルカリな薬剤を加温して使わないとかって事で少しは減らせそうですね。pHが高ければ高いほど生成されやすくなるわけですからお薬のスペックをきちっと知っていれば対処できると思います。


    混合ジスルフィドは1剤の放置時間だと思います。通常パーマの1剤は15分〜20分を過ぎたあたりでガクっとシスチン結合を切る力が弱くなります。還元力が弱まれば不安定なシスティンは近くにある何かと手をつなぎたくなってきますね。
    となりにシスティンがいれば良いでしょうけど還元剤であればそれと手をつないでしまいます。

    パーマ液がつきっぱなしって事は毛髪内部には還元剤分子もたくさんあるわけですから混合ジスルフィドができやすい状態にあります。

    そうやって無駄に長いタイムを放置することで混合ジスルフィドを増やしてしまうダメージをオーバータイムというわけです。

    決してかかりすぎてしまったことをさすわけではないわけですね。

    よくケミカル本なんかに、かかりが悪くて時間がたってしまった場合、
    再度薬を塗布する前に一回水洗しましょうって書いてあったりすると思うんですが、これは無駄な還元剤を流したほうが混合ジスルフィドを増やさなくて良いってことなわけですね。

    ですから、15分で確実に次の工程にうつれるようにお薬やロッドの選定を考えることで混合ジスルフィドの生成は少なくできるわけです。

    中間水洗の理由もここにあるわけなんですね。

    一剤が残っている状態で酸化剤がついてしまうことで、混合ジスルフィドができやすくなってしまうの防ぐ目的でもあるわけです。

    パーマをうまくかけるってかかり具合だけじゃなくって適正な時間でかけるって事も一つあると思います。



    最後にシスティン酸ですけど、これは酸化にかかわるわけですから、
    カラーで防ぐのはむずかしいとは思いますけど、パーマであれば2剤を不用意に長く放置しないとかって事で少なくできると思います。


    原因が少し理解できればそれを少なくできる(ダメージを防げる)方法も考えられますし、同じ薬を使っても傷ませてしまう人とあまり傷ませない人にはこんな差もあるかもしれませんね。



    ちょっとしたことですが作業を見直すことでお薬だけに頼らない技術でのケアが出来そうですね。

    ではできてしまったシスティン酸はどうすれば良いんでしょうか。

    傷みの原因でもあるシスティン酸が増えると感触はゴワつき、濡れていると水分で重く乾くと水分が無くなってパサパサになりますよね。


    このシスティン酸の吸収を抑えられるトリートメントが今リスペクツで扱い中のオレンジコスメの「アドフィルム」なわけです。

    なぜ?という確実な理論は無いみたいなのですが、アドフィルムをやった後とやる前を比べるとやった後にはシスティン酸が減っているらしいのです。

    これは、どうしてっと聞かれても研究の方もデータ上はそうなっているけど、なぜかは推測でしかないとおっしゃっていますので答えはわからないわけなんですけど。

    アドフィルムの成分であるアミノ酸変性シリコーンとアルギニンや有機酸の働きによるものだという事です。

    で、この減っているというのは髪の内部が見えるわけではないですから、
    無くなっているのか、一時的に内部のシスティン酸が成分と結合したりして
    無くなっているように数値が出てしまうってだけなのかはわからないのです。

    ただ出してみると減っているといった結果が出るといった感じで、
    研究の方も説明は出来ないとおっしゃっていました。

    ただシリコンが付着して質感があがっているってだけじゃないトリートメントがアドフィルムなわけなんです。

    矯正毛やデジの変性してごわついた髪もシスティン酸が多く生成されていることも原因の一つですから、ウチのサロンでは最近の後処理はほとんどアドシールドをしています。


    傷みの原因となる物質を出来るだけ少なくする施術と、出来てしまったものを抑えるトリートメント。


    これからは重い質感のトリートメントからこういったウェーブの邪魔もしない機能性のトリートメントの時代に変わっていくのかなって思います。


    次回はアドフィルムを使った裏技も書こうと重いますので、
    お楽しみに(^^)
    category:ケミカル的なコラム | by:しゃんてcomments(7) | - | -
    Comment
    いつも勉強させていただいてます。
    このブログを読んでからパーマが好きになりました!!

    処理剤はいつも迷ってます。

    ラチオニンや混合ジスルフィドで、シスチンの量が減ってしまっている様な、強度の低下している毛髪にパーマをかける際、有効な処理剤を教えてください。
    • マイクラ
    • 2007/08/29 4:10 PM
    マイクラさんへ

    いつもコメントありがとうございますm(。。)m

    一番髪に残っているのはたぶんカラーなどの影響もありシスティン酸だと思います。

    パーマ・カラー・矯正などの複合処理によって傷んでしまった髪に対しての有効な処理剤は目的もありますし、コレって言うよりもケースバイケースではあるのですが、

    高分子ケラチンやシリル化されたヒートケラチンなどは有効ですね。

    それと忘れてはいけないのが処理剤では無く還元のコントロールです。最近の研究ではチオやシスとシステアミンの還元している場所や侵入経路が違うのではないか?と言われています。(スピエラやチオグリセリンなどもです)還元している場所が違うということはチオやシスでダメージさせてしまった場所以外の場所にシステアミンは効いているのではないか?と考えられますね。

    なので、こういったケースにおいてリボのスピーダーやリボのスピエラもシスアミ混合タイプですから有効性が高いのではないかなって思います。

    まずは髪に負担をかけない薬剤の選定から考えてその後に処理剤の選定をするという形がベストだと思いますよ。

    そして、前処理も大事ですが一番は中間処理にあります。水洗後に高分子ケラチンやヒートケラチンなどで処理し、ヘマチンなどで還元力を抑え酸化されやすい状態にして少し放置、その後酸リンス〜2剤といった工程をふむことでウェーブ強化になります。そしてヘマチン後に加温したり感想させたりすればそれはクリープになるわけでよりウェーブ強化になりますよね。

    それ以外の質感にかかわる部分は各メーカーさんいろいろ考え方があると思うのでサロンで扱う処理剤にあわせた的確な処理を考えてみるのも面白いと思いますよ(^^)

    • シャンテ
    • 2007/08/29 8:33 PM
    詳しく、本当にありがとうございます。

    デジパーで3回目くらいになると、なんだかウウェーブがだれた感じになっていて。
    チオにシスアミを混ぜて還元してみたら、とてもいい感じになったりしてます。
    それは、還元している場所が違うから効果なのでしょうか??

    でも同じような状態の方に、シスアミだけだと、弱い感じで…。
    だから、毛髪を強化させてチオ系がいいのかもって思ったりしてました。

    でも機械のせいにしたりもしてます(笑)

    中間処理に使ってるヒートケラチンは分子量30000ってなってます…。


    ヘマチンは、デジの場合も加温処理した後に、酸リンスの前でいいのですか?
    • マイクラ
    • 2007/08/30 9:02 PM
    ■マイクラさんへ

    デジの場合は、加温処理〜ヘマチン〜3分放置〜酸リンス〜ブロム酸

    という流れでOKです!

    デジで3回目くらいなのであればカラーもしているお客様ならシスアミだけでも大丈夫な気もします。ロッド巻きテストが有効です。
    23ミリなどホットロッドで使うロッド径に近いロッドを2.3本巻いて放置してテストカールしてみてかかり具合を見て水洗という工程にすると失敗が少ないと思います。

    ダメージ状態にもよりますが、シスアミ2:チオ1って感じでアルカリに傾けてあげるとよりかかりはよくなりますよね。

    還元しているところを見れるわけではないので推測でしかないのですが、お薬の性質によって多少違うところ(この話は膨大な時間がかかるので講習で話していますけど)を還元していると考えられるんですね。
    還元・酸化の工程によって不溶生成物が生まれてダメージの原因になるわけですから3回チオで還元された場所には還元する部分がすくなくなっていると考えられるわけですから、それ以外の場所を還元するシステアミンやスピエラが有効になってくるのかな?っていう憶測ですね。

    ただ経験上、軟毛などのかかりにくい毛にハードなチオを用いるよりもシスアミでいったほうが良いケースも多いので何らかの関係はあるんじゃないかなって感じています。

    システアミンは使いどころが悩むかもしれませんが使いこなすとスピエラと同様かなり使えます。いろいろ試してみてください。

    ヒートケラチンですが、30000分子量の物は無いんじゃないかと思います。
    たぶん高分子のケラチンとヒートケラチンの混合したものであるか、小麦のシリル化された高分子の原料ならば聞いたことあります。
    • シャンテ
    • 2007/08/31 11:40 AM
    ありがとうございます!
    ヒートケラチン、お取り寄せしようと思います。
    ヘマチンですが、塗布してからしばらく流さなくても大丈夫なものですか?
    どのくらいは良いのでしょう?

    カラーの後で使用する場合は、シャンプーが終わってからでいいのでしょうか?
    その後バッファーローションとかですか?

    時々ですが、こまかくウイ―ビングして、オキシやお薬で多少調節してはいるのですが、先に施術しているバックから、どんどん流したくなります。そんな時も、ホイルをはずしてふき取ってヘマチンでもいいでしょうか?
    今は、シャンプー台で寝たまま少しづつ流してます…。

    あとスピエラなのですが、矯正毛にデジパーをして、その後4ヶ月くらいで矯正(全体)をしました。カラーは10レベル位をいつもリタッチのみにしていて剛毛です。でもデジ部はハイダメージです。怖かったので前処理を毛先を得にして新生部をソフトタイプチオ系で、既ストレート部分とデジ部はスピエラにしました。
    新生部が先にいい感じに軟化したきて、でもスピエラのデジ部が全然だめだったので、仕方なくチオを伸ばしてつけました。
    すぐ軟化OKぽく、流しましたがヤッパリデジ部が甘かったのでスピエラだけでもう一度還元させました。スピエラなだけに軟化がよく判らないのですが、コームでとかしてまっすぐなので流して通常どおりアイロンして仕上げましたら手触りはサイコ―なのですが、毛先は自然なカールが少々残ってました。もし、もっとストンっとした仕上がりをお求めの時は、スピエラではそもそも無理なのでしょうか?
    既ストレート部のリバウンド位にしておいた方がよいのでしょうか?

    すごい長い…。
    申し訳ありません。。。。
    この文章で通じるでしょうか??

    時間のあるときでけっこうですので宜しくお願いします。

    リボスピエラはお客様にかなり好評です。
    エルマンさんスピエラとは、かかり具合がちがいますか?
    また質問になってしまいました。。
    よろしくお願いします。


    • マイクラ
    • 2007/08/31 7:14 PM
    ■マイクラさんへ

    ヘマチンは逆にすぐ流してしまうと効果が薄いです。最低3分くらいであとは結構置いちゃっても大丈夫ですよ。時間が短いほうが効果感じにくいので長い分には良いです。


    カラーのときは、乳化時にPPTなどを塗布してその上から10倍希釈くらいのヘマチンで乳化すると発色がよくなります。ヘマチンの反応はカラーの重合促進効果もありますから乳化時の使用もOKです。
    シャンプー後に塗布する際は3倍希釈くらいの濃い目のものをしようします。これは残留するオキシの分解です。塗布してコーミングして3分程度放置し、そのまま酸バッファーなどでPHコントロールします。
    流してトリートメントといった流れです。

    ウィービング時にそういった感じで使うのもありだと思います。やったことがないので試してくださいね。

    スピエラでのストレートですが、残っているウェーブの強さにもよりますが、伸びるものと伸びないものがありますね。
    その差は経験上での話しになりますので、不安な場合はスピエラの上からソフトな矯正剤塗布するのは良いと思いますよ。
    この辺りの話になってくると技術の話になってくるのでどうすれば?と聞かれてもうまくお答えできない部分もあると思うので、経験するしかないのかなって思います。

    こうすれば絶対大丈夫という法則はどの薬にたいしても無いと思いますので。

    ただケースバイケースで大丈夫な場合とスピエラだけでは無理な場合はあると思いますね。
    コテアになってなくてすいません(^^;

    エルマンさんとは良いお付き合いなのでどちらがとはいえません。
    ラフィネカールはかかりが良いですが、リボの方が質感は良いという声はありますね。
    ストレートに使いやすいのはエルマンさんラフィネかなって思う部分はありますね。

    この辺りもご自信の判断にまかせるしかないですし、最終的には好みかなって思います。




    • シャンテ
    • 2007/09/01 1:10 PM
    色々、勉強になりました。
    ホントにありがとうございました!!


    • マイクラ
    • 2007/09/01 4:23 PM








       

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